像の消滅

村上春樹が好きなのですが
なぜ?どうして?と聞かれると返答に困ることになります。
つまり自分でも、この小説をどこまで理解できているのか、自信がありません。

本当はなにも分かっていないのに、背伸びして「おもしろい」とか言っているんじゃないの。
自分に対してそんな疑いもわいてくるのですが。

これは短編集で、中でも特におすすめなのは、
「納屋を焼く」「ファミリー・アフェア」「TVピープル」
です。
・「納屋を焼く」、はありえそうでありえなそうな話。その微妙さが気になって仕方がない。
・「ファミリー・アフェア」はとてもありえる話。普遍的な、というべきか、そういうものへの共感。
・「TVピープル」はありえないはずなのになぜか可能性を捨てきれない、みたいな話。 
 奇妙だけど無関心ではいられなくなる仕掛けがしてある(ように思える)話。

村上春樹。
読後に残る、あの焚き火の残り香のようなせつない気配が好きで、また読んでしまいました・・・。