もったいない主義―不景気だからアイデアが湧いてくる! (幻冬舎新書)/小山 薫堂

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タイトルにはまったく魅かれなかったが、 なにしろあの 
小山薫堂さんの本であるから、
これは読まないわけはないのである。

つまり はやりのエコのではなく、
日常に隠れているチャンスみたいなものに、
もっと気づこう、という意味での 
もったいない だったわけである。

内容は、おもしろい。すいすい読めて、
ほんとうにありきたりな日常が楽しくなる。
さすが 小山さんである。

なんでも、今年から山形にある 東北芸術工科大学で 
企画構想学科というあたらしい学科をうけもっておられるそうだけれど、
学生さんたちがうらやましいかぎりである。


小山薫堂さんから じきじきに、
企画を勉強できるなんて、 すばらしい。


企画やブランドの本を読むときいつも思うのは、

やはり文章で上手に伝えられることは とても大事であるということだ。

自分のなかに、いいアイデアがある、すばらしいコンセプトがある、
意義ある活動をしている、なにか熱中していることがある。

それ自体は、もちろんすばらしいことだけれど、

あるアイデアがすばらしいということと、それがうまく伝わっているかどうか
ということは、本当に別の、悲しいくらい別の 現象だと思うからだ。


熱心な人ほど、 言ったはず、伝わっているはず、と思ってしまう。
そして、みんながわかってくれないのはなぜだろうなどと 悩んでいるように見える。

だから、今日も この本をたずさえて、 
時々 パラパラとページを めくりながら、
いいアイデアだけでは足りない、 
いいアイデアの伝え方がなければならない、と、自分にいいきかせてみる。

こんなにオールラウンドに活躍できる小山さんというクリエーターを
尊敬しながら。