あなたのビジネスを10倍加速させる!『実践twitterマーケティング』―ツイッターを売上げに.../野口 洋一

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してやられた。これ、すごくおもしろい。

正直、「またついったーの話か・・・」と思わないではなかったけれど、本書によって、開眼。私も、アカウントだけつくってほったらかしだったツイッターを、はじめようと思う。

本書のいいところは、ビジネスに、つまりはマーケティングにどう応用すべきかが丁寧に網羅されているということに尽きると思う。しかも、大企業向けのマーケティングでもなければ、一攫千金をあおるでもない、とてもまっとうなビジネス、中小企業や個人事業、さらには副業系のためのマーケティング手法があらわされている。

情報の量も過不足がなく、ムラもなく、時代の変化をダイレクトに感じられる一冊。もう2回読んだけれど、あとは実践あるのみですね。がんばろう。

しかしまあ、こうやってネットワークやデバイスがどんどん新しくなっていくと、マーケティングのコスト構造というのは激変しますね。10年くらい前にダイレクトレスポンスマーケティングの波がやってきて、あれもすごく衝撃的でしたし、現在ももちろん通用しつづけている手法だと思いますが、私もあの頃はとても若かったということもあって、ダイレクトレスポンスマーケティングには、マーケティングそのものの考え方、思考手順を教えられたような気がしました。

つまり、顧客にとって伝わりやすいとはどういうことか、見込み客とはなにか、感情をどうやってとらえるべきか、コピーのやくわりはなにか、・・・そういう基本中の基本を、ひとまとめにして教えてくれたキーワード、というかコンセプトの集合が、ダイレクトレスポンスマーケティングだったような気がしています。

そして時代は10年のあいだに移り変わり、今度はあらたなツールが登場して、ツイッターもそうだし、携帯デバイスがどんどん進化して、アイフォンも普及して、動画ストリーミングも一般化して、しかもそれらはものすごく安く、たいていは無料で使えるというしくみが一般化してきたわけで。いわば、マーケティングのことが、やっと基本がわかりかけてきたところへ、便利な道具がたくさんほうりこまれてきたようなもんです。いわば、畑があって、作物の芽がでてきたタイミングで、肥料がふんだんにそそぎこまれたというイメージ。ますます、中小企業や、ベンチャー、個人でも高いスキルを持っている人たちにとって、社会との接点をもちやすい時代になってきたんではないかと思います。

僕のやっている行政書士というコンサルティングビジネスも、いままではあまり専門特化していく人が少なかった(許認可も、相続も、会社設立も、なんでもやれる事務所が成功するという時代だった)けれど、今は僕のように、契約書が専門とか、NPOが専門とか、さらにもっともっと専門化していく、ニッチになっていく人がたくさんあらわれたし、しかもそれで十分採算がとれるようなことになると思われます。なぜなら、検索の技術が上がり、そのコストは下がったからじゃなかろうか。

ようするにいままでは、専門特化してしまうことや、フリーランスになることというのは、それ自体が、自分を社会からどんどん「隠れた存在」にしてしまうことと同義だったのじゃないかな。だから、われわれ小さき者は、社会にうもれた「価値」を、うまく「必要としている人たち」に伝えるために、感情マーケティングだったり、コピーライティングだったり、それらを駆使したダイレクトレスポンスだったりをつかうべきだった。つまりこれまでのマーケティングは、価値を与える側からのアクションによって、価値のブリッジ(橋渡し)をあぶりだす作業でありテクニックだったと思う。

それが現在はもう少しすすんできていて、その「あぶり出し」作業を、マーケットの側、消費者の側、顧客の側からやれる。つまり検索とか、ソーシャルフィルタリングというかたちで、逆流現象で、買う側からどんどんやりはじめた。必要としている情報は、自分で取捨選択して、とりにいくことが、あたりまえになってきたわけですね。

そうなると、価値をもっている人、たとえばコンサルタントだったらそのスキルを、明確に意識し、ただその検索される場にいればいいことになってくる。その場にいる、とはどういうことか、というと、それがホームページだったり、ブログだったり、ツイッターだったりするわけだ。