サザビーズ 「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術/石坂 泰章

¥1,470
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こりゃおもしろい。

マーケティングやら営業やら、経営ポリシーなんかとは、

少しちがった角度から、面白く読めるビジネス書はないかなーと、

いつもの書店をふらりとはしごしていたら、

ちょうどいいタイミングで出会った一冊。

サザビーズジャパン代表取締役社長、石坂泰章さんの、自伝的でもあり、仕事術的でもあり、
知られざるアート界のおもしろ小話的でもあり、・・・

エッセイとしても、ビジネス書としても、話題のネタ書としても読める、
実力を伴った八方美人みたいな本である。

章のタイトルも、

第1章 ライフスタイルが欲しくて、サラリーマンをやめた

第2章 ユニクロも丸ビルも アートビジネスに巻き込んじゃえ

・・・

など、ユーモラスで、わくわくする。

カバーもかっこいい。

ちょっとでもアートビジネスに興味があったらぜひおすすめしたい。



もったいない主義―不景気だからアイデアが湧いてくる! (幻冬舎新書)/小山 薫堂

¥777
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タイトルにはまったく魅かれなかったが、 なにしろあの 
小山薫堂さんの本であるから、
これは読まないわけはないのである。

つまり はやりのエコのではなく、
日常に隠れているチャンスみたいなものに、
もっと気づこう、という意味での 
もったいない だったわけである。

内容は、おもしろい。すいすい読めて、
ほんとうにありきたりな日常が楽しくなる。
さすが 小山さんである。

なんでも、今年から山形にある 東北芸術工科大学で 
企画構想学科というあたらしい学科をうけもっておられるそうだけれど、
学生さんたちがうらやましいかぎりである。


小山薫堂さんから じきじきに、
企画を勉強できるなんて、 すばらしい。


企画やブランドの本を読むときいつも思うのは、

やはり文章で上手に伝えられることは とても大事であるということだ。

自分のなかに、いいアイデアがある、すばらしいコンセプトがある、
意義ある活動をしている、なにか熱中していることがある。

それ自体は、もちろんすばらしいことだけれど、

あるアイデアがすばらしいということと、それがうまく伝わっているかどうか
ということは、本当に別の、悲しいくらい別の 現象だと思うからだ。


熱心な人ほど、 言ったはず、伝わっているはず、と思ってしまう。
そして、みんながわかってくれないのはなぜだろうなどと 悩んでいるように見える。

だから、今日も この本をたずさえて、 
時々 パラパラとページを めくりながら、
いいアイデアだけでは足りない、 
いいアイデアの伝え方がなければならない、と、自分にいいきかせてみる。

こんなにオールラウンドに活躍できる小山さんというクリエーターを
尊敬しながら。




のぼうの城/和田 竜

¥1,575
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これが わたしであるというところの人生だけを自分の 

人生と定義して生きるのは 

きっと 正しいのだろうけれども 窮屈でもあろうかと思います

ときには

映画や 小説などの物語という 芸術のなかに 

自分を とけこませることによって 演じてみるのがなんとも心地よく

昼間に 夢をみているかのような 心持にさせてくれます
ポケット六法 平成21年版/菅野 和夫

¥1,890
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つかいやすい 六法
そろそろ新品をと思い、21年版とあったので購入。

法律を読んでいていつも思うのは理屈の面白さ。


理屈をいくら 机上で並べてみても 行動しなければなにもできない。

そんなことはわかっているのだけど、

やっぱり理屈に魅かれてしまう。


行動できない人間といわれても、

理屈の美しさには抗えない。

行動しか脳のない人間が、あわれにみえることすらある。


法律というロジックの芸術にひたるには、

この安価な六法が一冊あれば十分なんである。




整理HACKS!―1分でスッキリする整理のコツと習慣/小山 龍介

¥1,575
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これはおもしろい!

プロセスデザインが仕事を楽しく変えてくれる

という小見出しにひかれて即購入。 移動の電車のなかで一気読みした。

複数のパソコンを簡単に同期させるとか、

紙のドキュメントをさくさくとデータ化して捨てられるようにするとか、


仕事のテクニックに自信がある人も、ひとつくらいはヒントがみつかるはず。

仕事のやる気をとりもどしたいときなどには必読。


全脳思考/神田 昌典

¥2,100
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他の本を買うときにちらっと読んでみた。

とても面白いけれど、今の自分には高度すぎてわからない。

会計の知識がない人にとって、財務諸表の意味や利用価値が分からないのと同じで、

本書をおもしろく読むためにはおそらく助走期間が必要なんでしょうね。

でも買いたくなるのは、やはり著書が神田さんだからというのが大きい。

神田さんが今どんなことを考えているか、何を重要視しているのか、
そういうことを感じ取れるような気がする。

活字だけでなくところどころ、手書き風のデザインがはいっているのも、

おそらくロジックとイメージの相乗効果みたいなことなんだろうな、とか。

賛否が分かれているところもいい。

神田さんくらいになると、おそらく賛否が分かれないような本を意図的に書くこともできると思うから、あえてそこは、そういう選択肢を選ばないで、発想法という、いちばんとらえどころのなさそうなところへ踏み込んでいくタフさがこの本の真価なのじゃないだろうか。

というわけで、わからないからこそ、読む。


1Q84 BOOK 1/村上春樹

¥1,890
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1Q84 BOOK 2/村上春樹

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これは しのごのいわずに 買わないと。

書評など見ている場合ではありません。

へんなテクニック的なことはしないのに

あたかも 文章にすいとられてしまいそうな 独自の世界はさすが。

メタファーをどれだけひろえるかが、勝負のみたいなところもあった。

個人的には 村上春樹の集大成みたいに感じた。

いたるところに 「らしさ」がにじむ。

あの独特の比喩表現も もちろん健在。

おなじみの役者が勢ぞろいしたというのかな。

これだけすごい作品を書いて書いて、

それでもまだ こんなにみずみずしく、なまなましい 

人間の内面を 描写しきれるというところが おそろしい。

ジャンル的には、TVピープルとかが好きな人は、楽しめると思う。

ノルウェイの森しか 読んだこと無いって方には、まず

 ファミリーアフェアー あたりから 練習してもらいたい。